セルアセンブリ(Cell Assembly)
1940年代後半にカナダの心理学者Donald O.Hebbにより定義された脳内(主として大脳皮質内)において単一の知覚・記憶対象の表現に関与する機能的な細胞の集団。
発達前または知覚対象の学習前の脳のネットワークにおいては、異なる知覚対象の入力に対する機能的な構造が存在せず、ネットワーク結合の統計的・物理的な特性のみに従って、“機能的な意味”を持たずに細胞集団の活動が生じる。Hebbは、互いに時間的相関を持って発火する細胞間にはシナプス結合を強化する機構(ヘッブシナプス)が存在することを仮定し、知覚対象の繰り返しの入力により、同時に発火活動を上昇させる細胞集団の選択と固定化が自己組織化されると考えた。これは、初期には物理的特性として選択された細胞集団が、学習により特定の知覚・記憶対象と機能的に因果関係を形成すると言う情報符号化原理を提唱した点に大きな意義がある。
Naa_tsure.icon限られた数のニューロンで非常に多くの事象を表現する場合、個々のニューロンが特定の事象を表すより、ニューロンの組み合わせで事象を表した方が多くの事象を表現できる